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ミラクルが繋ぐ、母マツバの想い

投稿日:2025年4月30日

ミラクルに寄り添う弟

 2021年、2頭の子ザルを同時に育てたという珍しい出来事で一躍有名になったマツバ。しかし、2023年12月にマツバは群れに姿を現さなくなり、高齢(22才)でもあったことから、亡くなってしまったと考えられています。
 マツバはこれまでに6頭の子を出産しており、そのうちの1頭に、2018年に生まれたミラクルというメスザルがいます。ミラクルは生まれて間もなく下半身が不随になるというアクシデントに見舞われました。原因不明の下半身不随は、ミラクルにとって大きな障害となり、上半身だけで生活を送るのは非常に困難でしたが、地面をはって進み、両手を上手に使いながら懸命に生き延びました。
 それから1か月ほど経ったある日、ミラクルの足の指先がわずかに動き始めました。それから徐々に回復し、下半身が動かせるほどになり、今では元気に暮らすことができています。このような"奇跡"から、ミラクルと名付けられました。
 このエピソードは多くの人に感動を与え、2025TNZ選抜総選挙では最も多くの票を獲得して人気ナンバーワンに輝きました。
 現在6才のミラクルの隣には1才の弟が寄り添っています。1才の弟は2023年にマツバが生んだ最後の子です。1才の弟はまだお母さんのお乳が恋しい年頃ですが、今はもうマツバはいません。それを知ってか、ミラクルは授乳も出産も経験していないのに、寂しそうにしている弟にお乳をあげています。最後まで育てきれなかった母マツバの想いを、娘のミラクルがしっかりと繋いでいました。
 
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