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不思議な魅力の持ち主「マルオ」

投稿日:2022年5月16日

「イクメン」マルオ

B群の第9位に「マルオ」というオスザルがいます。マルオは元々C群にいましたが、2021年8月にC群からB群へと群れを変えました。
 性格はとても大人しく、C群にいた頃には子ザルをとても可愛がり、出ないはずのお乳を子ザルに吸われても怒らず、そっと抱き寄せるほど優しい「イクメン」ぶりを見せていました。
 彼がC群を離れるきっかけの一つになったと思われる事件がありました。2020年1月に起きた出来事です。その当時C群の第2位であったマルオが耳や足に大きなケガを負って山からやってきたのです。彼が何らかの事件に巻き込まれていることは容易に想像できました。また、第3位の「ショット」も、その日同じようにケガをして山から出てきました。どうやら、この2頭の間で何か事件があった様でした。
 

マルオ

 そこで、マルオとショットの関係を調べたところ、マルオとショットの順位が入れ替わっていました。高崎山では通常オスザルの順位が入れ替わるということはありません。やはり私達の見ていない山の中で2頭の間で何らかの事件が起き、結果としてマルオの順位は第2位から第3位へ降格してしまったのだと思われます。
 この降格事件以降、マルオはC群を時々離れ、B群の群れの端で姿を見るようになりました。とはいえ、マルオはこの時まだ正式にはC群のメンバーであり、B群で姿を見る事は少なかったのですが、時間が経つにつれ、C群で過ごす時間よりも、B群で過ごす時間の方が長くなっていきました。
 そして、2021年の夏頃には、サル寄せ場でB群とC群が接触するわずか数十分の間だけC群で過ごし、他の時間はB群で過ごすようになっていました。
 

C群に向かって吠える「マルオ」

 しかし、この「二重生活」ともいえるマルオの行動に終止符が打たれる日が訪れました。この日もマルオはいつものようにB群にほぼ1日ついて行き、B群がサル寄せ場へ出現するその10分ほど前に1頭でサル寄せ場へ出て来て、何事もなかったかのようにサル寄せ場にすでに滞在していたC群の仲間の中へ混ざっていきました。
 いつもと同じようにすんなりC群の仲間に溶け込み、餌を食べ始めた時でした。当時第4位だった「ロバート」がマルオに向かって敵対心をむき出しに威嚇をしはじめたのです。マルオも最初はこれに応戦しましたが、敵わないと思ったのか逃げ腰になり、B群へ助けを求めるようにC群から逃げていきました。この日を境にマルオがC群に戻ることはなく、完全にB群の一員となりました。
   現在でもC群の何頭かはマルオと顔を合わせると、毛づくろいなどの交流をすることはあるものの、マルオがC群の中心へ入っていくことはありません。

第1位「ヤケイ」からプロポーズされる「マルオ」

 B群に移籍して以降のマルオですが、C群にいた頃のように、サル寄せ場の中心部でお客様に紹介されながら、その活躍ぶりを見ていただく機会は少なくなりましたが、イベント「TNZ選抜総選挙」のイケメン部門では、2020年、2021年と2年間連続で第2位にランクインするなど、多くの皆様から注目を集めています。
 また、2022年の冬、発情期には多くのメスザルからプロポーズをされており、特にB群の第1位「ヤケイ」からは、背中や頭に乗られるなどの熱烈なプロポーズを幾度となくされていました。このマルオのモテ男ぶりが人間界からもサル界(メスザルたち)からも注目されました。
 現在マルオは第15位という地位で上司も多く、本人は上司に遠慮しながら細々と生活しています。しかし、彼は性格がとても穏やかで隣に並んでも全く怒らない事から、サル寄せ場では、お客様と並んで記念撮影をするのにもってこいで、毎日のように多くのお客様が彼との記念撮影をするために行列になっているほどです。
 とっても大人しく、優しいマルオをこれからもみなさん応援してください。
 

マルオ関連動画(高崎山公式YouTube)

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